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世界の都市見聞録E

「ウィニペグ」




 

 私がウィニペグへ行くと言ったら、日本では必ず"どこにあるの?"と言われ、カナダのトロントやエドモントンでは、"何しに行くの?"と言われました。ウィニペグの出身著名人をネットで調べると「くまのプーさん」(Winnie the PoohのWinnieはウィニペグに由来)ぐらいでした。
 私がウィニペグへ行った理由は単純で、カナダ視察の5日間予定のうち、トロントが2日、エドモントンが2日で、1日余ったため、トロントとエドモントンの中間の都市がウィニペグだったからです。当然、現地のガイドさんから「何しに来たのですか?視察するような商業施設はありませんよ!!」と言われました。確かに、1日滞在しましたが、見るべき商業施設は予想通りありませんでした。しかし、ウィニペグへ来た以上は何らかの成果を得なければならないと頑張りました。
 ウィニペグはマニトバ州の州都であり、人口は62万人、都市圏人口は71万人と、日本の小さな県に相当する都市です。
 ウィニペグの人口と都市圏人口が9万人しか差がない(62万人と71万人)のは、ウィニペグ市以外は、人口密度が低く大平原(プレーリー)で、かつネイティブアメリカン(8.6%)の最も多く生活する地域だからです。飛行機から見ていると大平原であり、飛行機で何時間もの広範囲かつ大規模田園地域です。
 このウィニペグの視察で感じたことを以下に述べます。

@ルーラルという意味を実感した都市
 アメリカはルーラル(超田舎)が国土の広さゆえに過大に存在し、それが昔のシアーズの通信販売を育て、ウォルマートのディスカウントストアを育てました。ルーラルの人々は「比較的低所得」「節約志向」「泥臭く」「流行に左右されず」「カジュアル(普段着)」「変化のないスローな生活」「都心の影響を受けず」「閉鎖的かつ独自志向」の生活を送っています。話では聞いていましたが、ウィニペグは、現地のガイドさんの話を聞いて実感し、まさに「ルーラル」です。ウォルマートがアメリカ以外でうまくいっていないのに、カナダでは順調な理由がよく理解できました。

Aレジャリーショッピングのニーズが過大に存在する都市
 変化のないエリア及び遊びの場のないエリアの閉鎖型社会は、楽しみが少ないのが現状です。ウィニペグは商圏的にもエンターテインメント志向の商業施設は成立せず、日常生活に密着した商業施設のみです。そこで、年に1〜2回、遊びと買物が一体化した「レジャリーショッピング」のニーズが過大に存在し、その結果、エドモントンの「ウエスト・エドモントン・モール」(高速道路で11時間)、ミネアポリスの「モール・オブ・アメリカ」(高速道路で8時間)まで出掛けることになります。日本人が年に何回か、東京へ遊びと買物を兼用して出掛ける行動と同じ現象が、田舎(ルーラル)とエンターテインメント型SCの間で起こっています。

B1960年代のアメリカのSCが見られる都市
 ウィニペグではセーフウェイ(SM)とゼラーズ(食品を持たないGMS)を核店とし、専門店が40〜50店のCSC(コミュニティ型SC)を、たくさん見ました。セーフウェイとゼラーズが一体化すると食品を持つGMSとなるため、日本では1核(GMS)のCSCです。CSCは、アメリカでは1960〜1970年に淘汰され、日本でも1991年から長期低落化の道を歩んでいます。ウィニペグには、過渡期業態としてのCSCが、まだ本格的SC時代を迎えていないために多く存在しています。

Cダウンタウンに都市型SCが存在する都市
 ウィニペグの中心市街地には「ポーテージ・プレイス」(PORTAGE PLACE)という都市型SCがあります。隣接地のザベイ百貨店と一体となって、サブ核を含めて140店のテナントで構成されています。このことは、州都であるウィニペグにはアーバン・リゾートニーズのみならず、アーバン・コンビニエンスニーズも多く存在することを物語っています。


 
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