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世界の都市見聞録B

「ボストン」




 

 ボストンは、郊外が中心で、都心の商業が崩壊した多くのアメリカの都市とは異なり、都心である中心市街地の商業が健全に機能する数少ない都市の一つです。
 アメリカで数少ない健全な都心商業が確立している中心市街地には、「ニューヨーク型」(現代的な中心市街地、人工的な中心市街地、エンターテインメント的な中心市街地、にぎわい型中心市街地…等のイメージのある中心市街地のタイプ)と「ポートランド型」(ノスタルジックな中心市街地、自然志向の中心市街地、住商共存・混合型の中心市街地、閑静な中心市街地、住民と生活文化基軸の中心市街地…等のイメージのある中心市街地のタイプ)があります。ニューヨークの中心市街地を「動的中心市街地」、ポートランドの中心市街地を「静的中心市街地」と呼びます(六車流:流通理論)。
 ボストンの中心市街地は、ニューヨークとポートランドの中間型であり、両方の良さを持っています。このタイプの中心市街地を「サンフランシスコ型」と呼び、事実、ボストンとサンフランシスコの中心市街地には共通点が多くあります(中心市街地のタイプ分類は、流通とSC・私の視点の891参照)。
 サンフランシスコ型の中心市街地と同じタイプに属するボストンの中心市街地は、日本の100万商圏の中心市街地のモデルとなるタイプでもあります。
 ボストンの中心市街地には、中心市街地ならではの郊外SCが真似のできない商業が3タイプあります。

@都市型SC(都心立地のスーパーRSC)
 ボストンの中心市街地には、「コープリー・プレイス」(ニーマンマーカスとバーニーズニューヨークを核店とする120店のテナントのSC)と連絡橋で結ばれた「ザ・ショップ・アット・プルーデンシャルセンター」(高級SSMのショウズ・スーパーマーケットとバーンズ&ノーブルを核店とする75店のテナントのSC)が立地しており、この2つのSCは高級感やトレンド性において郊外SCを凌駕しています。中心市街地には郊外のSCと同質タイプの業態であるSCが必ず必要であり、また、成立性が十分あります。中心市街地には郊外との異質性の商業のみならず、郊外SCとの戦略的同質化が、中心市街地の存続のためには必要となります。

Aニューベリー通り
 ヨーロッパ風の建物が街並み型に形成され、その低層階(1〜2階)が商業街区となっています。ニューベリー通りは、商業と建物と自然(木と緑)が一体となったメインストリートを形成し、散策したくなる街並みで、高級品の店から庶民的な店まで揃った見事なストリートです。このニューベリー通りは郊外のSCには真似できない商業街区です。中心市街地には、商業と建物と自然と遊歩道が一体となった散策型ストリートが必要です。ヨーロッパ風の建物と植栽が商業利用者から見て借景となり、また、建物の利用者から見て街並みは借景になっています(相互借景現象)。

B異質型商業街区
 ボストンと言えば「ファニエルホール・マーケットプレイス」であり、アメリカの歴史館と一体化した年間1,100万人の来館者のあるフェスティバルセンターです。また、ウォーターフロントやチャイナタウン等の異質型商業街区が形成されています。

 アメリカで数少ない都心商業が残っている中心市街地は、郊外SCとの同質化のための「都市型SC」が必要となります。ボストンの中心市街地には昔、単独の百貨店が立地していましたが、SCの郊外化により退店ないし、再開発により開発された都市型SCの核店舗化しています。SC化(モール化)しなかった単独業態は、基本的に崩壊しています。
 また、中心市街地に必要な商業として、散策のできる自然と一体化したストリート型の商店街があります。エンクローズドモールのSCではなく、アンチSCの商業業態も中心市街地の成立にとって不可欠な業態です。 さらに、フェスティバルセンターやチャイナタウンのような異質型街区(ディストリクト)も中心市街地の形成にとって必要です。
 このように、中心市街地には「モール」(SC)と「ストリート」(通り・商店街)と「ディストリクト」(異色街区)の3つの商業が必要になります。


 
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